蘭と愛犬 > 小さな旅  >  2008年  >  2008年2月21日 戴いた宿泊券

昨年の3月末まで38年間働き続けた。その退職時に、教職以外のしかも異年齢の方々が中心になって、友人・知人が40人を超えて集まり「退職を祝う会」を開催してくれた。本当のところは、私をダシにしてこれ幸いと飲み会を計画したのが本当のところ(?)かも知れない。
ところが、その参会者が手出しで湯布院の和風旅館「ゆふいん花由」の夫婦宿泊券をプレゼントして下さった時にはは心がウルウルなってしまった。自分で言うのも口幅ったいが、団塊の世代の特徴だと思うがまさに仕事人間で生きてきた。家族にはすまない話だが、その思いがみなさんに伝わったとしたら望外の幸せだと思った。
ところがどっこい…。退職してみたら仕事人間は趣味がないし満足して打ち込む物が何もない。始めの頃は家から出るのもどこか所在ない雰囲気だった。その後半年程で落ち着き始め、最近になってやっと落ち着いたというのが偽らざる今の心境である。
それで最近になって、いただいた宿泊券を利用して、由布岳の夕日に照らされ色が徐々に移り変わっていく様を、堪能できるようになったことも出かけるきっかけになった。
来てみて良かった」と本当に思った。
離れに宿泊させてもらい、そこに露天風呂が付いていて、お湯はやさしく美肌の湯(?)系で、食事も心からもてなしていただいて身も心もゆったり出来た。「退職を祝う会」を開催してくれた多くの方々に感謝・感謝である。
次の日も朝風呂までいただいて満足して出発した。日出生台を越して安心院の谷を通って豊後高田の昭和の町に遊び、初孫のために「でんでん太鼓」を購入した。お昼はもちろん地元特産手打ちの「十割そば」を堪能して、蕗川をさかのぼった。
早春の谷の一番奥に国宝「富貴寺」はあった。「あ」「うん」の仁王像に迎えられて山門をくぐった。
「あ」「うん」の像は人の一生を表し、「あ〜」と産まれ、「う〜ん」と死んでいくその間が一生だというのだと聴いたのは、奈良の東大寺だっただろうか?
帰りに見た山門の猫の姿にニヤリとするものがあり、再びHPも動かしはじめようと思った。吹っ切れた旅になった。
両子の山を越す頃には自宅で首を長くして待っているだろう愛犬「なな」と「はち」の事ばかりが気になり、その事ばかりを話して自宅に急いだ。

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